東京に帰ってきたこと

 東京に帰ってきた。以前のエントリで書いたように実家生活ではどこか息の詰まる思いがあったので、無事自分の家に帰ってくることができて安心した——かと思いきや、そうでもない。

 郵便受けに、留守にしていた間に届いた請求書が溜まっている。カードの支払のことや、ガスを止めますといった連絡だ。それらは勿論、私が実家に帰っている間に投函され、実家でご飯を食べたりお風呂に入ったりしている間にも変わらずそこにあった。別に、私が家に帰ってきたから降って湧いたわけではない。これが現実だ、と思い知らされる。

 母はどうやら、私が彼女に遠慮して居心地の悪い思いをしていることを感づいているらしかった。空港まで送ってもらう途中、何度も「遠慮しないで、お金のことだけは、必要な時はきちんと言って。貯金はあるから、大丈夫だから」と言われた。けれど「お金があるから、大丈夫だから」なんだというのだろう。結局のところ、私は社会人生活たったの3年目にして会社を休職し、実家に金銭的にも肉体的にもお世話になっているわけで、こんなものは全然「自立」ではない。小さな頃からずっと「大人になったら自分ひとりで生きていけるようになるんだ」と思い描いていたものとは全然違う。

 母は何も言わない。東京に帰ると言った時も反対せずに送り出してくれた。私はとても幸せものなのだと思う。その幸福に早く報いなければと思う今日このごろ。