パワハラのこと

 今の休職とは直接関係は無いのだけれど、2年前の4月、新入社員として入社したての頃にいわゆる「パワハラ」を受けたことがある。初対面で「今日から精一杯がんばります」と言ったら「『頑張る』って何? 新入社員のあなたに何かできると思っているの? 『頑張ります』って、要は『期待してください』ってことよね? 期待されて大丈夫な自信があるの? 無いのならそんなこと気軽に言うのはやめなさい」ときつい口調で言われたのが始まりで、それ以上の詳しいことは書かないけれど、とにかく私の一挙一動に対してそんな感じだった。

 当時は今より更に精神的に参っていて、会社でパソコンに向かっているだけで涙が出てきて、周囲にばれないように慌ててトイレに駆け込んだりしていた。問題があったのは私の「メンター」として割り当てられた直接の上司で、今から思えば、なんというか、相手が目上だからとか仕事上の関係だからとか関係なく、いわゆる「ちょっとやばい」人だったのだと思う。

 ただ、当時の私は「なんだか変な人に当たってしまったなあ。嫌だなあ」と思って我慢するばかりで、誰にも何も相談していなかった。会社に入るまで、私にとっての人間関係というのは「合わなければいつでも距離を取れるもの」だったからだ。どうしても我慢できなくなったら逃げ出せばいい。意地悪なクラスメートにも、サークルのウザい先輩にもそうしてきた。LINEやTwitterをサッとブロックして、現実世界で顔を合わせても「どうも、こんにちは」程度に留める。それでいいやと思っていた。

 けれど、「会社」というコミュニティの中では、それは罷り通らなかった。ましてやその人は私のメンターなのだ。彼女が出会い頭に私に言ったように、私はまだ、会社にとって何の役にも立たないひよっこだ。彼女の隣に座り、彼女から渡される課題や仕事をこなし、至らない点があれば指導を仰がなければならない。「どうも、こんにちは」で逃げ出せる関係ではない。

 それで、どんどんストレスが溜まっていった。幸いにもその時は、見かねた周囲の人たちが更に上司に言ってくれて、私自身も、私が零した愚痴を聞いた友人たちの「それってパワハラだよ」という言葉に押されて会社の人たちに訴え出ることができた。もしあのままずうっと我慢し続けていたら、それこそ本当に、会社に行けなくなってしまっていたんじゃないかと思う。……まあ、どのみち今こうして休職しているのだけど。

 一応これは日々の忘備録と自分自身の思考の整理も兼ねているので、こんな感じで時々昔の出来事を纏めていけたらいいなと思う。